事実に対するアッテンボロー卿の軽率な態度

(ハイ・ノース・アライアンスの2004年3月19日付けニュースからの訳
原題:"SIR DAVID ATTENBOROUGH担 FRIVOLOUS ATTITUDE TO FACTS")




最初に、捕鯨者が残酷で野蛮で容認しがたい活動に従事していると非難した後、アッテンボロー卿は「一頭の鯨を捕殺するのには、少なくとも2分半はかかる」と間違った主張を続ける。

今年の3月13日にノルウェーのNRKラジオに鯨を殺すのは他の動物の場合に比べてどの点が特別なのかと聞かれ、アッテンボロー卿は「鯨が瞬間的に殺されていないという事実があります。 鯨に多大な苦痛を与えずに殺す方法は、確かに今のところ用いられていないし、私が知るところ、そういう方法はありません。 鯨を殺すのには最低2分半かかりますが、多くの場合もっと長くかかり、その間、この極めて知能が高く繊細な生き物は多大な苦痛を被るのです」と返答した。

これは国際捕鯨委員会(IWC)の事務局長のニッキー・グランディ博士がBBCに「例えば、ノルウェーでは高い確率で鯨を瞬間的に捕殺しています」と述べたのと好対照である。

同様に、アッテンボロー卿が前書きを書き、動物福祉団体の連合が出した報告書「Troubled Waters」自体、鯨の捕殺に最低2分半かかるとは主張していない。 それどころか、鯨が瞬時に殺される率はノルウェーのミンク鯨漁で80.7%、日本の南氷洋の調査捕鯨で40.2%、アメリカのホッキョク鯨漁で36.7%、グリーンランドのナガス鯨とミンク鯨漁で7.6−8%としている ("Troubled Waters"、40, 46 and 47ページ)。

また、鯨の捕殺法の世界的な専門家であるノルウェーの獣医学大学のオエン博士も、アッテンボロー卿の事実に対する軽率な姿勢を遺憾であるとしている。 「鯨を殺すのに最低2分半かかるという主張は事実ではありません。 アッテンボロー卿は単に無知なのか、故意にウソをついているかのどちらかです。」と語る。

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