中国「米軍が新型コロナウイルスを撒いた」陰謀論ーー1950年代の再現か - 儀右衛門の備忘録 - 歴史記憶の迷路を辿る

投稿日時:2020-06-19 20:19:58

2020年3月13日 「感染症は米軍が武漢に持ち込んだかも」中国報道官が投稿 

 

 

中国に便乗・同調するかのようにイラン最高指導者ハメネイ師による「(アメリカの)生物兵器だー」ツイートも。

もちろんアメリカとしてはポンペオ国務長官が反応、反論。

 

ところで1950年代、これと同じことが起こった。

「731部隊」問題は事の初めはソ連が主張したものだが、それを引き継いだのが中国共産党。

1949年ハバロフスク裁判でソ連が裁き、抑留していた関東軍の日本人将兵や官僚など主要人物はソ連に留め置き、それ以外を中共に引渡し1956年まで撫順・太原抑留所で思想改造、「731残酷物語」を刷り込んだと思われる。

そして同時期、朝鮮戦争でソ連・中共・北朝鮮はアメリカが北朝鮮に対し生物兵器を使用したと主張し、米兵捕虜を使い「告白」させた。疑った理由として「731部隊を匿ったから」としていた。

アメリカはその嘘を暴き冤罪を晴らす事に成功。濡れ衣を吹っ掛けた際のソ連調査官は後のKGB将校でもある微生物学者Nikolay Zhukov-Verezhnikov。 ハバロフスク裁判で731部隊を取り調べたのと同じ人物であった。

参照:

China’s False Allegations of the Use of Biological Weapons by the United States during the Korean War

Milton Leitenberg argues on the basis Soviet documents and recent Chin...

Wilson Center

 

 

 

 

共産圏がアメリカにかけた濡れ衣と周辺事情については近年でもたまに話題にあがることがあり、2012年記事では「虚偽告白」「ヘイト・アメリカ・キャンペーン」「turncoat=変節者」の用語が。戦後日本人・ドイツ人がやられたことも書かれている。この件はアメリカではManchurian candidateとの用語でも知られており、その時の「洗脳」を基に映画化もされている。(『影なき狙撃者』『クライシス・オブ・アメリカ』)

   

参照:https://www.realclearhistory.com/articles/2012/10/30/manchurian_candidate_was_no_mere_fiction.html  

 

ソ連による裁判で731部隊に対しても「自白、供述」させ、中国撫順に移送された捕虜も同様にいわゆる「洗脳」を受けていたと思われる。

※「洗脳」用語が世界に知られる元であったこの件については、また別の機会にエントリーする予定です


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