記憶の捏造(虚偽記憶)について - 歴史記憶の迷路を辿る ブログ・アーカイヴ

投稿日時:2013-09-10(11:01) | カテゴリー : 撫順戦犯管理所・洗脳

先日から書いている「日本軍の悪行・加害を証言する人達」にも関連して。

3年前になるが、近畿圏の朝日放送でこんな番組があった。

ビーバップハイスクール 記憶はこうして捏造される ←クリックどうぞ

この番組はお笑いタレント・ハイヒール司会で、基本おバカ番組だが意外な話題も取り上げられ割と面白い。
作家・筒井康隆がレギュラーなのでおバカでありながら深い話題も出てくる。

前には「世界が一つのクラスだったら」寸劇があり、世界大戦について
ギブアップ寸前の日本君にアメリカ君が最終的ケンカ兵器のアトミックボトルを投げつけてしまい、クラス中が恐怖と呆れとで「あ~あ、やっちまった」と囁く・・
そんなのもありました。

そして上記の「記憶は捏造される」内容説明より

記憶は自分だけでなく、他人によっても書き換えられる」という榎本先生。そのメカニズムは心理学的に解明されているとか。そこで、第三者による記憶のねつ造のメカニズムをわかりやすく紹介。まったく記憶にないことが、巧みな誘導によって、やがて自分の記憶にすりこまれる様子に、一同も「こわい!」と驚きの声をあげる。
自分で書き換えてしまったり、他人によってねつ造されてしまう記憶。自分の記憶はどこまでが真実なのか・・・。だが、犯罪捜査では目撃情報も重要だ。そこで、記憶の曖昧さをスタジオで大胆実験!その結果に一同は騒然!スタジオも凍りつく!?


女子アナ数人が実験台となってやっていたが、それはもう自信たっぷりに「捏造記憶」を喋るから恐ろしい。



この回を担当した榎本博明という心理学者の本がある。

記憶はウソをつく (祥伝社新書 177)記憶はウソをつく (祥伝社新書 177)
(2009/09/29)
榎本 博明

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(実はまだ読んでいません、これから読んで後日書きます)

女子アナ達もそうだが、こういう虚偽記憶の内容を喋る時にはかなり饒舌になるようだ。
聞き手の質問の仕方に拠っては内容の広がりがエスカレートしていく印象もある。

虚偽記憶とは↓クリックどうぞ
虚偽記憶 wiki


そう言えば海外で「私はUFOにさらわれた!」という類の証言も検証するとこれに相当するらしい。
あるいは足利事件で冤罪として無罪になった菅谷さんも、話し方に違和感ある特徴があった。
知的に要領が悪かったり(=ずる賢さが無い)元々自我が弱い人だと容易にこの罠に自ら嵌ってしまうと聞いたこともある。

ド素人の私が勝手解釈するのも良くないが、
特殊な環境、元からの自我や人格の傾向、責任感や恩義への固さ、などの要因が重なって記憶の捏造は起こるのではないか。
「幼児期の迷子事件」くらいなら特に条件が無くても簡単に捏造されてしまう・・。




いわゆる日本軍の悪行を証言する人達に戻るが
その人達が当時置かれた環境、記憶を誘導した側の立場、など詳細を検証して虚偽記憶のメカニズムも絡めて政府が研究すべきだ。
今更だと放置してはいけない。
当事者の人達は多くが存命でなくなっているが、それでも供述書などアチラ側が発表している資料は少なくないので可能だと思う。

戦犯とされていた人達が語ってきた自身の「悪行」「残虐行為」の内容は皆共通して、講演する度毎に、語る度にエスカレートしていたそうだ。
自らがやったとして告白し懺悔する聞くもおぞましい残忍行為、それが益々残忍なものに変わっていくという。
もちろん証拠などどこにも無い。どころか事実誤認と矛盾に満ちている。
これが異常心理に囚われているのでなくて何なのだろう。



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